韓国料理に欠かせない脇役といえば、そう!ナムル(나물)です。
レストランでは何種類もの副菜が並ぶことで有名な韓国料理ですが、もちろんその中には色々なナムルも出されます。
そして、ナムルは家庭料理にも欠かせません。
ナムルナムルと言ってますが、実際にナムル(나물)とは何かというと、食べられる野菜・野草・山菜などをさすと同時に、それらを料理した「和え物」のことをさすそうです。
私としては、「ナムル」で思い浮かぶのは野菜というよりは野草や山菜の方が多いかな。日本人にも馴染みがあるのは、もやしのナムル(콩나물)やほうれん草のナムル(시금치나물)だと思いますが、韓国のオモニム(お義母さん)の家に行くと、なんじゃこりゃ?という見たことのない山菜をナムルにしてある料理をよく出されます(笑)
はじめは恐る恐る食べていたものの、慣れてくるとこのちょっとした苦みと身体に良さそうな味がクセになるんです!
そんなナムルの材料となる山菜を一体どこで手に入れているのか...嫁の私は不思議でなりませんでした。だって韓国では一年中ナムル食べてるんですよ!でもスーパーでは山菜ぽいのはあまり売ってないし。
そしたらある日ユッケくんの家族と一緒にヨングァン(영광)のおばあちゃんち(ユッケくんのお母さんのご実家)に行くことになり、答えがわかったんです!!
なんと、ナムルの材料は、山で採ってましたーーーー!どっひゃ~!笑
食材はスーパーで買うものというサラリーマンの家庭に育った私には斬新すぎる答えでした。
ユッケくんのおじいちゃん(以下、ワンハラボジ)とおばあちゃん(以下、ワンハルモニ)は農家さんなのですが、山も持ってて、ありとあらゆる農作物を自分たちで育てています。山菜は育てているというか自生しているんだけれども、春にしかとれない山菜を、時期を逃さずできるだけ沢山収穫するため私たちもお手伝いに行くことになったんです。
私はそういうの大好きなんで、もうワクワクしながらワンハルモニの家に着きました。すると、まだ小さなすーが一緒なので、「すし子は来ないでいいから、家ですーと待っときなさい」と言われ、ショック!!!笑
私も行きたい!山菜採りたい!という気持ちをユッケくんに通訳してもらい、「大変なのに、来たがるなんて変な嫁だなぁ!」と笑われながらも何とか連れていってもらえることに。すーはユッケくんのお父さんが車で見といてくれることになり、無事私も山菜採りに参加できることになりました。
まずはワンハルモニの家にある服に適当に着替えて、農家スタイルで山へレッツゴー!
5分くらい行ったところで私たちは車を降り、先頭を行くワンハルモニに続いて山へ入りました。足元に見える山菜を摘みながら山を登る、軽快なフットワークのワンハルモニ。70代後半とは思えない足腰の強さです。ワンハルモニすごいな~なんて思いながら歩いていたら、急にワンハルモニが、
転んだ!
しかも坂道でコロリと一回転した!
み、見事な受け身...
ワンハルモニ、大丈夫か!?
私は今目の前で起きた出来事を心配する気持ちと共に、その見事なまでの一回転と受け身を見て、いけない笑いがじわじわと押し寄せてきました。
いけない、笑っちゃ...まずは声を掛けなければ...
「ハルモニ、ケンチャナヨ!?」
精一杯の心配の気持ちを込めて、私は声を掛けた。
すると、ワンハルモニは強かった。転んだことなど一つも気にしていないようなそぶりで尻についた草を払いながら、
「ァ~、ケンチャナ!ケンチャナ!」と、ずんずん先に進んでゆく。
今見たものは夢だったのか!?そのくらい何事もなかったように進みだすワンハルモニを見て、パッと隣にいたユッケくんを見ると、めちゃ爆笑しているではないか(笑)その姿に刺激され、私も我慢していた笑いが抑えきれなくなり、ついに爆笑(笑)
嫁の立場で、これはいかんと思っても、抑えきれない笑い...ワンハルモニごめんなさい(笑)でも本当に怪我がなくて良かったです。
とまぁ、出だしからハプニングはありましたが、山へ入ると一面草だらけの場所が。そこで、大きな袋を一人1つずつ持って、山菜摘みが始まりました。
はじめはどれが山菜かわからず、ワンハルモニの摘んだ山菜を見せてもらいながら、同じようなやつを見つけては、「イゴン?イゴン?」(이건?이건?=これは?これは?)と確認しつつ徐々に自分でもどれが山菜かわかるようになってきました。
ちょっと場所を移動し、山菜を袋一杯にするぞー!と張り切って摘むこと数十分...袋の3分の1くらいが集まっていい感じになってきました。そこでワンハルモニの袋をチェックしてみると、なんと2袋目に突入しとるやないかーい!!
ワンハルモニの能力恐るべし。70代後半ですよ!?やっぱり農家に嫁いで子ども6人育てながら義理の両親と家族のお世話をしてきたワンハルモニは次元が違うなと感じました。人間国宝に選ばれてもいいんちゃうかな。
ワンハルモニは小さくて可愛らしいんですが、とにかく人間の器が大きくて、韓国語もできない日本人の嫁の私にもいつも韓国語でいっぱい話しかけてくれて、私の腕とか足とかさすりながら、「よぅ来た、よぅ来た、ハルモニに会いにきたのかい。えらいね~。お腹空いてないかい。いいから食べな、食べな!」とか言ってくれます。ワンハルモニ、大好きです。
袋3つくらいパンパンにして、山菜摘みは終了。この日摘んだ山菜を日干しして、それを一年間少しずつナムルにして食べていくという訳です。
韓国人と結婚して、韓国での暮らし方や生活の知恵を知ることができるのは、とても面白いです。すし子は元々韓国に興味があった訳ではないけれど、知らない土地に行ってその土地に暮らす人のことを知るのが大好きでした。なので、こういう体験をすると韓国をより身近に感じるし、もっと韓国が好きになれます。
韓国の観光地には全然行ったことがないけれど、山で山菜摘んでる方が性に合ってそうやな~と思うすし子ママでありました。
でもやっぱり、いつかちゃんと観光もしてみたいな(笑)
おまけ:山菜摘んだ後はなぜか凧あげ(연)もして遊んだよ。田舎でのんびり、空気も美味しくて最高でした。
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